宮城県本吉郡南三陸町~気仙沼市を訪問してまいりました。
(報告後半、調査結果をお送りします。)
炊き出し等をすると、ついなくなりがちな調味料を、今回支援物資として届けました。
主にある牧師先生方、兄弟姉妹、心強い同労者の皆さま。
Sorry, everyone for the inconvenience. Only in Japanese. Pls. do ask
translator for help or directly contact me. ...Appreciate your
understanding :)
お疲れ様です。標題の件、下記箇条書きにまとめて。
【訪問地域】
宮城県本吉郡~気仙沼市の海岸線沿い
【主な訪問箇所】
①南三陸町:
ベイサイドアリーナ(志津川字沼田56番地):避難所。自衛隊駐屯。
南三陸町内、東浜街道より斜面登った自宅避難民宅
②小規模集落、小泉集落~クラウチ集落~二十一浜(ニジュウイチハマ):
高台の親類宅に身を寄せる避難民の方たち(約1000名)
③気仙沼市本吉:
浸水後放棄された家屋群(無人) 等。(被災地の写真 ご入用の方はご連絡下さい。)
【得られた情報】
◎南三陸、高台の住民より:電気水道NG。最低限の食料・物資はベイサイドアリーナより貰ってくる。水は裏の世帯の井戸から貰っている。
現在特に必要なもの:食料(野菜、米、調味料)、電池(単一単二)。車両廃車せざるを得ず、眼下の町全てが壊滅したため、買い物などできない状態。情報収集・医療支援はアリーナで。夜間真っ暗になるため懐中電灯必要、電力の早期復旧が望まれる。
◎ベイサイドアリーナ
アリーナ内、現在約500名収容。近隣の小規模避難所に対して情報提供、物資分配の中心になっている。
必要なもの:米・野菜などの食料(継続的に必要)。調味料。
別の避難所でノロウィルス罹患者発生したため、ポータブルトイレ。アルコール消毒液。使い捨て紙食器(食器にラップ=感染症蔓延の恐れ)。
生活用品は足りている。自衛隊が緊急車両にのみ無料でガソリン配布。民間にはNG。
-自衛官、また災害対策本部より情報、「気仙沼市南部(上記②)の集落は、(気仙沼市に属するため)南三陸/アリーナの潤沢な資源は届いていない。また気仙沼市側(北側)からの物資は、今泉大橋落橋のため届き辛い」と確認。
-一世帯三畳~程度の狭い場所が全てで、間仕切りもない。長引く避難所生活の疲れが出ているのは否めない。
◎二十一浜住民
「多目的」と呼ばれる集会所に約200名の避難民の方たちがおり、そこに物資が色々持ち込まれる。しかし避難所住民にしか行き渡らず、高台の親類宅(住所:歌生(うたお)11~。約70件ほどの世帯)に身を寄せている世帯には支援物資は行き渡っていない。反面、親類から送られてくる物資が強力な支えになっている。
-高台の家屋が守られた世帯の方たちは、「特に必要な物はない」と言い、インタビューできた家屋喪失した方たちも(高齢者ということもあるのか)入用な物は大体満たされている、と話す。
-ただし水が来ないため、裏山の湧き水を飲料用に当てている。入浴には一関まで行かねばならない(片道車で50分)。
◎気仙沼市立今泉中学校(避難所)
約400名収容。校庭に仮設住宅建設のラッシュ。かつ、4月21日に学校機能を復旧しなければならないため、近隣の廃校舎を修繕し避難民世帯を引っ越す予定。階段踊り場・通路に雑然とだが、食料・衣類・生活用品など支援物資が届いていた。
-災害対策本部職員より、「感染症予防に力も入れてきたし、特段急に必要な物資はない」と話していた。
-しかし「近隣住民が今泉中に物資を取りに来るのか」と言う質問に対しては、「住民は上記「多目的」という場所に行くため、こちらには数えるほどしか来ていない」と言う。
【見出された課題】
①避難民の主なカテゴリと、そのニーズ:
◎避難所に居られる方たち(家屋全壊/浸水半壊)
◎自宅(親類宅)待機/避難民の方たち
◎避難所に身を寄せられている方たちに対して:
物資供与(アイテムを大幅に限定):
-衛生系:特にノロウィルス対策アイテム(マスク、ゴム手袋、クロライン原液(漂白剤、希釈してスプレーし殺菌)、全身を覆う使い捨てカバーオール、バケツ等)、ポータブルトイレ、(手)消毒用アルコール
-食料:米、野菜、調味料など。またレトルト食品は、近隣の自宅避難民に渡せるので有効。
PTSD事業を行なう際に:
子どもの遊具(スポーツ用品、文房具など)。子どもが笑顔になると、親・家族は元気になる。
◎自宅避難民の方たち:
物品供与
-食料:重量物である米、野菜、調味料など
-必要に応じて、衣類(肌着)、家屋探索に向かう際必要な物資(軍手、長靴、スコップ、バール)、半壊家屋養生のためにコンパネ(1.8×0.9mt、12mm厚程度の合板。床・壁にも使える)、ブルーシート、釘&ハンマー、トラロープ。移動手段がないために自転車。その他
上記二十一浜住民のように、「いや、物は足りていますから。ありがたや、ありがたや」という高齢者の方たちを思い浮かべる。額面どおり捉えれば、「特にニーズなし」となるが、彼らが着の身着のまま出てきた事実に変わりはない。
また、避難所で集約された支援物資が思うように届いていない・取りに行けていない世帯は必ずあるだろう。こうした個人に物資配布の必要性を感じた。
【所感】
上記住民(自宅避難)はおよそ遠慮がちで、必要な物はあるが口に出さない、見ず知らずの人に頼まない、という高尚な人格が窺える。だから配布の仕方に注意しなければなるまい。例えば箱に一世帯分想定の物資を詰め、問答無用で渡す。調査ミッションと称してアンケートをとり、終了後車に戻って、今話題に上った物資を即供与する。など。ひたすら波を被っていない、高台の家を目指し一軒一軒訪問していく。配り終わりにお名前と住所だけ確認し、次回配布につないでいく。
また、半壊した家屋が打ち捨てられている姿が痛々しい。濡れてしまった畳や衣類、布団などが庭に雑多に詰まれ、玄関・割れたサッシを木の枝や破れた襖で覆い、養生している世帯が散見される。だれでも土足で踏み込め、被災者のかけがえのない物資を持ち去れる状態である。また、仮に避難所生活に倦んで自宅に戻りたいと思っても、現状では防犯・安全の確保ができない。
せめてしばらくの間、雨露がこれ以上家財を浸食しない・不法侵入者を入れない工夫として、養生用の資材を持ち込み、避難所で居る半壊世帯の世帯主に声がけして配布・支援していくことは可能であり、必要だと思う。
最後に、これは今後の中長期支援/政策提言にも関わってくることだが、
①(遺体捜索と平行して)がれき・廃材の撤去。現在自衛隊のみの作業を民間に引き継ぎ、現地での雇用創出を図ること
②そのために焼却炉を中心として、廃材分別拠点を立て上げること。移動式の炉ならば、拠点を次々移しながら処理、輸送の工数を削減できるかと。http://j.tokkyoj.com/data/F23G/3092388.shtml
③余震→津波被害を受けないよう、安全確保に最大限留意すること
まずはあの「見渡す限りのがれきの山」を整理していく必要が発生する。
そこに(遠隔地の自分たちでなくとも)被災者の方から携わる人財が起こされてくれば良好。
【その他の発見】
◎気仙沼市街中心部は電気もある。ENEOS(気仙沼市本吉町津谷舘岡12-1、他支店)が営業再開しており、ガソリン購入も可能。
◎コメリ(同97-1、他拠点多数)でスコップ・ゴム手袋等、支援ハードウェアは購入できる。しかしコンパネは在庫切れ。
◎通行可能なルート検索:google crisis response、24時間以内に車両通行の実績があるか否か特定できる。
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html
◎南三陸町 災害対策本部 0226-46-2600
以上。
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