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後藤 秀孝
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JAPAN
ボディメカ二クス
2007-12-19 Wed 00:08
NPO介護保険マネージャー科の実習に、「ボディメカ二クス(=移動介助の技術。クライアントの身体の動かし方のコツ)」がありました。

身体の各部位の重量・重心バランスが作用する力を有効活用することで、クライアント・介助者共に、身体にかかる負担を減らすことができる手法です。元空手家に言わせると、「合気か太極拳のような力の使い方で、クライアントを反転させたり立たせるとき、自分の手・腕など末端の力でなく、身体の中心部分の力を使う」動作のことです。

その「ボディメ」発動のための注意は、実は基本的なことのみで:

●クライアントの身体を小さくまとめる
(例:仰向けに寝ているクライアント。両腕を胸の前で交差し、手で反対側の肘を持つ。また膝を立ててもらう。その体勢で膝を倒せば、ベッド・布団の上で簡単に反転できる。)

●クライアント・介助者の重心を近づける
(例:立ち上がり介助。クライアント・介助者の立ち位置が近いほど、少ない力で上がる。)

●支持・基底面積を広くし、重心を低くする
(例:足幅を広くとり、膝を柔らかく使って重心を落としている方が、安定している。)

●広い筋郡を使う
(例:腕力で上げるより、肩にもたれさせてお互いの足の立ち上がる力で上げた方が楽。)

●介助者の重心移動でクライアントを動かす
(例:二人とも立った状態。介助者の円周運動で、中心のクライアントの身体を反転させる。)

●てこの原理を利用
(例:肘をベッドにつき、クライアントの膝を支える前腕をてこの原理で引き上げ、横臥から仰向けに戻す。)

●ベクトルを利用
(例:椅子に座っているクライアント。まず前方に「おじぎ」をしてもらうと、頭が下がるにつれお尻が浮いてくる。クライアントの足に体重が乗っているので、介助者がクライアントの身体を預かり一緒に立ち上がれば、双方楽に立ち上がることができる。)

などです。

生活に関する動作は全て、クライアントにとってリハビリを兼ねた運動であり、その目的は「クライアントが自力でできるところはしてもらい、できないところをできるように訓練する/設備整備する」ということ。

食事から排泄まで何でも「一人でできるもん」状態が、実は人間の尊厳・自信につながります。このため、日常生活動作(ADL)の量と種類を増やし、クライアントの望む自立生活を達成できるようお手伝いすることが、介助者のゴールです。

あくまでも、クライアントの持っている力を最大限利用して、自立・再生の基盤とする。
介助者は最小限の動作的支えと、最大限の励まし・勇気付けをする。必要ならば手すり付きベッド、介助用食器や歩行器などの必要機材を用いて、クライアントができるADLの範囲を増やしていく。


「ボディメ」は肉体の障害や衰えに。ですがその信念は、カウンセリングで人々の心に触れるときにも、当てはまるなあと思いました。

クライアントの希望や、意欲が中心にあり、ヘルパーは手助けをするだけである。
普段していること・できることはしてもらう。
そして、クライアントがしたいことを、一緒に探し、行動への動機付けをしていく。
クライアントの意思を尊重し、自信をもたせ、行動したならそれを褒め、励ます。

それは、身体を扱う介護にも、心を扱うカウンセリングにも。大切なことですね。
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#270 管理人のみ閲覧できます
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2008-01-06 Sun 14:55 | | #[ 内容変更] | top↑
#271 Mさん、コメント感謝です
Mさん、明けましておめでとうございます。ごとうは元気にしておりますよ。

現在NPO介護保険マネージャー科というコースの一部で、ヘルパー2級資格&NPO設立の手法を学んでいます。その中で、素人目に高 印象だったのが標題ボディメカニクスでした。
高齢者の介護を話すとき、Mさんご指摘の通り、必ず「生きがい」「QoL(Quality of Life)」というコンセプトにぶつかります。しかし先端医療の延命技術で、呼吸器をつけて生き続けることが、クライアントさんの本懐なのか。その方の死に様も含めての「QoL」ではないか…。
受講生たちの間でも、第三者のナィーブな意見交換を行いました。個人的には、生死に関する問題を扱うとき…。主にすがれることをありがたく思います。

過去3ヶ月の間に、父方・母方の両祖母を喪いました。会えたときには既に意識朦朧、または遠距離のため会うことができず別れることになり。ああ天のお父さん、彼女たちの信仰によって、温かく迎えてやってください…。そんなことを祈るばかりでした。

やはり人の手には負えない課題がありますね。
「私たちとしては、どうしてよいか分かりません。ただ、私たちの目をあなたに注ぐのみです。」
そう叫ぶ弱い私たちを、愛してくださる主に感謝なのです。

ごとう ひでたか 拝
2008-01-09 Wed 01:28 | URL | ごとう ひでたか #-[ 内容変更] | top↑
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