2007-10-01 Mon 23:58
(9月30日、RCESにて行なった証より)
今年8月19日の午後、コロンボから南東へ車で約一時間、バンダーラガマ(山間のムスリム人コミュニティ)にあるパワーハウス――麻薬中毒患者のリハビリ施設――で、洗礼式が執り行われました。 洗礼式用のタブに腰までつかり、元麻薬中毒患者の入所者たちが、次々と洗礼を受けていきます。水に入る前に、牧師の祝福と宣誓を聞きながら、祈りの手を堅く握り締める入所者たち。その心は、ただ主イエス・キリストに向かい、自分の行なった悪を「ごめんなさい」と謝罪し、また主イエスの約束した癒しと救い、赦しを求めて祈っていたのです。 <ディレックのこと> その数ヶ月前。ディレックという、スリランカで一時有名だったバンドのメンバーが、その姉に連れられパワーハウスにやってきました。 彼が音楽家として有名になるにつれ、多額のお金と名声、社会からの羨望がもれなくついてきました。それらを持て余した彼は、安易な罠――アルコールやドラッグへと転落して行ったのです。 ディレックは回想して、こう言います。「俺に金や酒、ドラッグがあるうちは、みんなハッピーな顔で近づいてきた。しかし、俺が全てを失ったとき、俺の周りには誰もいなくなっていた。」そんな人生の底に沈み込んだ彼を見て、彼の姉は「だめもと」でパワーハウスに行ってみてはどうか、と提案しました。 最初は「パワーハウスってのは、要するにだ、ドラッグ漬けのどうしようもない愚か者(お前だ)が行くところだろ?」「クリスチャンの彼らが、Holy Holyで自分に酔っちゃってるそうだし。」「何で俺が行かにゃならん?」と不機嫌系だった彼が、パワーハウスのオリエンテーションを受けていたときのこと。何やら見慣れた顔に出くわしたのです。 <会うべきひと> それは、音楽好きの元友人の一人。タノジェという名前の、同年代の男でした。彼はそのとき、パワーハウスでボランティアとして働いていたのです。そんなタノジェとディレックの目玉と目玉が会い、二人して「あ~!何でお前がここに!?」とハモってしまいました。 休憩時間、タノジェをつかまえたディレックは、彼から強力な証を受け取ります。タノジェ自身も中毒患者としてパワーハウスで療養し、6ヵ月の療養期間を終えてボランティアスタッフとして、パワーハウスに残ることを決意したのでした。ディレックが目を瞠(みは)ったのは、自分の過去の汚点を隠さず共有し、それでなお微笑んでいるタノジェの穏やかな表情であり、優しい態度でした。 「過去の奴からは、考えられない変化が起きた」「ここには何かある…」 そして、ディレック自身も「できるものなら、俺も変わりたい」「人生やり直したい」と願い、パワーハウスでの療養を決意したのです。 そして麻薬の禁断症状に襲われる、地獄の2週間を「毒抜き部屋」で過ごした後。 彼は肉体的に、麻薬の呪縛から解き放たれました。 それはスタッフや牧師、また他の入所者たちの祈りと励ましがあったからこそ…。 <祈りの日記> そんなディレックにある日、私の妻がこう提案しました。 「ディレック、あんたも祈りの日記をつけてみたら?」 祈りの日記とは、すなわち神さまとの交換日記のようなものです。あなたの祈りや願い、辛いこと、救い出して欲しいこと…。そんなことを、神さまに祈りながら書いていき、その願いが叶ったのならその結果をも書き足していく。自分自身の証ノート(ネタ帳?)のようなものです。 そう尋ねられた翌週、妻が「日記つけてる?」と聞くと、ディレックこう答えます。「いや、俺ノートもペンもねぇから、つけられね。」 そんな投げやり系言い訳に「カッチ~ン」と来た妻は、その週の内に大量にノートとペンを買い込み、ディレック他に渡して「これで日記、つけられるわね はぁと」と促したのです。 最初はしぶしぶ、祈りの日記をつけていたディレックですが。 今聞くならば、彼はこう答えるでしょう。 「神さまは俺の祈りを聞いてくれている」 「俺のことを気にかけ、心配してくれてる」 「神さまは俺を愛して、赦してくれた…」と。 <次回に続く> スポンサーサイト
|
#206 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
#207 Re:祈る
Mさん。コメントありがとうございます。
全く、苦悩も厳しさも、私たちの身の回りにありますね…。 頑張り屋の私たち日本人。内面きつくても、明るく元気を装って、他人に迷惑かけないように、頑張って…。 そんな勤勉・正直な方たちに、ぜひ主イエスのことを伝えたい。その想い、私も同じです。そして、私たち一人ひとりに与えられた、Circle of Influence――影響を及ぼせる人たちがいます。 それは同僚かもしれないし、家族の一員かもしれない。いつも行ってるパン屋の販売員さんかもしれない。 大切なのは、主から受けた光を、周囲に輝かせることですね。頂いた塩味でもって、味気ないこの世を味わい深いものにすること…。それは、私たちの毎日の生活の中で、できることです。 長くなりました。またいつでも遊びに来てくださいね。 取り急ぎ。 ごとう ひでたか 拝 |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| キリストの愛を 超多忙なあなたに |
|