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後藤 秀孝
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JAPAN
<ハンバントタ出張編I>
2007-03-31 Sat 17:01
3/29日に、スリランカ南部ハンバントタ県で、津波被災者の再定住地域を訪れました。その時は、JENの職業訓練と心理カウンセリング・子どもの課外活動事業の終業式がありまして、その時に伝えたCongratulate(卒業おめでと) のメッセージと、村人のコメント、またJEN職員たちとの評価ミーティング時のやり取りなどを、6夜連続でお伝えしたいと思います。

<カラニガマ村(野菜栽培の訓練)での挨拶>

「今日、この村に来る道すがら、車窓から美しい自然を眺めていました。スリランカは本当に緑に恵まれ、白・赤・ピンク・黄色などの花にも溢れています。国道2号線の周囲では、米作の田畑が緑に輝き、木にはマンゴーやパパイヤなどの果物がなり、水牛がのんびり草を食んでいます。

なんて美しい国だろう。私は改めて、そう思いました。

でも、人生の困難に向かうとき、人はこうした美しい世界のことを、すっかり忘れてしまうことがあります。

私の場合、JENのレバノン事業で、チームメイトを喪った時のこと。2006年7月、イスラエルがレバノンに侵攻し、空爆や陸上戦などが繰り広げられた直後のことです。私が東京で番頭をし、彼がレバノンで現地指揮を執る、という形で動いていました。

その彼が、痙攣を起こし、病院に収容され、死亡する約10時間前。私は彼と電話で話す機会がありました。

彼の死の直後、『なぜあの時気付けなかったんだろう』『なぜあの時、心を配って、もっと体調の話を聞いてあげられなかったんだろう』『もし私が気付いていれば、結果は違ったかもしれない…』そんな後悔と自責の念で、私は押しつぶされていました。

それ以後しばらく仕事など手につかず。食事も喉を通らず、街を歩きながら、知らずに涙がこぼれてしまいます。『世界の美しさに気付け』なんて言っても、当時は全く無理な話でした。

友人の死が、それだけのダメージを一個の成人男性にもたらせるとしたら。愛する家族の死は、一体どれほどの喪失感をもたらすのでしょうか。どれほどの自責、後悔、行き場のない恨みで、世界が塗り替えられてしまうでしょう。


しかし、2年という月日が経ち、またトレーニングを終了して。
何人の方が、新しい友人と出会い、こころを通わすことができたでしょうか。
何人の方が、未来を信じて生きる勇気を、取り戻すことができたでしょうか。
何人の方が、今周囲を見渡して、『ああ、やはり世界は美しい』と言えるでしょうか。


暑い最中、屋外での作業は大変な苦労を伴ったと思います。また水不足や、野生動物の野菜への被害など、決して100%順調とは言い切れない2ヶ月でした。

ですが、あなたたちの日々の努力が、荒野だったこのカラニガマ村に緑を取り戻し。そしてあなたがたの心に、希望と平安、友情と思いやり、そうした宝物を取り戻したのです。

もう一度、皆さんの努力に、盛大な拍手を送りたいと思います。」


<村人からのコメント>
「トレーニングが始まるまでは、家に籠もりがちだったのですが、いまでは野菜の生長が楽しみになり、朝晩と外に出るようになりました。堆肥作りには子どもも参加して、近隣から枯葉などを集めてきてくれます。
2日前には、初めてオクラが収穫できたんですよ。苦労が報われた感じがします。
また、ソーシャルワーカー(カウンセリング担当)、コミュニティワーカー(参加者代表で、村人から選出される)たちが友だちのように、毎日話してくれて、気が紛れたものです。本当にありがとうございました。」

「2ヶ月を共に過ごしたインストラクター、ソーシャルワーカーたちと、別れるのは辛いです。家事の合間での参加で、時には大変なときもありましたが、継続して参加できて良かったです。
感謝の気持ちを込めて、歌を歌いたいと思います。」
そう言って、彼女が歌ってくれた歌。

『雷がなる あらしの晩
ヒナたちの元へ いそぎ飛ぶ親鳥
しかし 大いなるあらしは
巣であった巨木を なぎ倒しました

神さま」と親鳥の祈り
吹きすさぶ あらしの中の沈黙で
神さまは それを聞きつけてくださいました

親鳥は 神さまがヒナを取り上げ
天国へ向かう姿を見ました

親鳥は 天に向かうヒナと 神さまに向け
ただ喜びと 感謝の涙を 流すのでした』

(題名:不明。彼らの死生観が顕われています。津波の直後、大いなる喪失を慰める為に、どれだけの母親がこの子守唄を繰り返したでしょう。)
<つづく>

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