いま後藤は、ご高齢者の介護付きマンションで仕事をしている。
その利用者の一人で、いつもいつも「イケメンね」「カッコいいわね」とこちらを赤面させてくれるおばあ様がいる。
ご飯を持っていくと「あなたモテるでしょう」「ありがとうイケメン」などと声掛けされるので、それほどイケメン自負のない後藤としては返答をひねり出すのに困ってしまう。ただただ恐縮し、配下膳やお薬を渡して挨拶して去るばかりである。
でもそう言われると嬉しい。のだろうか。
自分の心を客観視すれば、喜ぶべき。嬉しい。のだろう。
そこで思わされたこと。
「イケメン」と言ってくれる方は、「イケメン」を創る。のだと。「盗人と呼べば、人は盗むだろう」という格言がある。
同様に「イケメンイケメン」言っていると、
男は脳の機能が単純な分、イケメン化していく。
―――――
対して、世の放つ言葉。
「あなたは間違っている」
「何度言っても聞かないんだから」
「頭悪いんじゃないの」
「ダサっ」
「ウザイ」
「死んでくれればいいのに…」
……
相手をより良く変えていこう、長所を認めていこう、共に成長していこう…。
そんな<思い遣り>が全く感じられない語彙に、世は溢れている。
だからこそ、プラスの言葉、
あなたを「イケメン」どころか、
「私の愛する方は、輝いて、赤く、
万人よりすぐれ、その頭は純金です。
髪の毛はなつめやしの枝で、烏のように黒く、
(中略)
そのことばは甘いぶどう酒。
あの方のすべてがいとしい。
エルサレムの娘たち。これが私の愛する方、
これが私の連れ合いです」(雅歌5:10~16)
などと赤面モノの評価をしてくれる
神の言葉 を選ぼうじゃないか。
まことに、世のたわ言よりも、
『わたしの目には、
あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。』(イザヤ43:4)
と宣言して憚らない神の声に、耳を傾けて欲しいのだ。
なぜなら…。
“ことば”はあなたの内で受肉し、人生の中で実体化するのだから…。
<世に勝つは ただ神の言葉のみ>
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