後藤 秀孝
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【アドルファス】
2013-01-29 Tue 17:26
(Philip D. Yancey著「Church:Why Bother?」より引用)

私は、目に荒々しい怒りの形相を浮かべた若い黒人男性アドルファスに対する教会の対応から、生きて働く恵みがどのようなものであるかについて忘れられない教訓を学んだ。

都心の教会にはどこでも、アドルファスのような人物が少なくとも一人はいるものだ。彼はしばらくベトナムで過ごしたが、恐らく彼の問題はそこから始まったのだろう。彼は長期間同じ仕事につくことができなかった。激しい怒りと精神的発作を起こし、時には保護施設に入院させられた。

アドルファスが日曜日に薬を飲んでいれば、彼を制することはできた。薬を飲んで来なければ、教会は普段よりすごい場所になった。
アドルファスは最初は後ろのほうにいて、障害物競走のように長いすを乗り越えて聖餐台に向かってくることもあった。
賛美歌を歌っている間に、両手を上に挙げて、いやらしいゼスチャーをすることもあった。
ヘッドホンをつけて、説教の代わりにラップミュージックに耳を傾けることもあった。



ラサール・ストリート教会では、礼拝の中に「人々の祈り」という時間を設けていた。
全員が立ち上がり、みんな自由に大きな声で祈った。世界の平和のために、病気の人が癒されるように、周辺の地域社会に正義が行なわれるように、と。「主よ、私たちの祈りをお聞きください。」それぞれの祈りの後には声を合わせて、そのように唱和した。

しばらくするとアドルファスは、「人々の祈り」の時間は自分の関心事を知ってもらう格好のチャンスだと考えた。

「主よ、ホイットニー・ヒューストンと彼女の素晴らしい肉体を創造してくださってありがとうございます!」と、ある朝彼は祈った。みんな困惑した。そしてしばらくの沈黙の後に、何人かの人が弱々しく「主よ、私たちの祈りをお聞きください」と唱和した。
「主よ。先週サインしたレコーディング契約に感謝します。そして僕のバンドに訪れた幸いにも!」とアドルファスは祈った。
アドルファスを知っている人たちは、それが彼の妄想だと気付いたが、事情を分かっていない人たちは心から「主よ、私たちの祈りをお聞きください」と祈りに加わった。

毎週教会に来ている人たちは、アドルファスの祈りからは予期せぬことが出てくるのを覚悟するようになった。
新来会者たちは彼の祈りをどう考えたらよいのか全く分からなかった。目を大きく見開いて、変わった祈りがどこから来るかを一目見ようと首を伸ばしていた。

市長のハロルド・ワシントンに心臓発作を起こさせるほどのストレスを与えたのは白人のせいだとして、教会の白人全員に神の裁きが下るようにとアドルファスは祈った。
シカゴの路上で人々が死んでいるのにイラクに軍隊を送ったと、ジョージ・ブッシュ大統領をののしった。
また彼は、自分の音楽グループの様子を定期的に報告した。

これらの祈りのいくつかは気まずい沈黙をもたらした。一度、アドルファスは、「この教会の白人野郎の牧師たちの家が、今週、みな丸焼けになるように」と祈った。さすがにその祈りには誰も同調しなかった。

アドルファスはすでに三つの教会から追い出されていた。彼は白人を不安がらせるのが面白いので、人種差別などがない教会に出席することを好んだ。一度、私が教えている教会学校のクラスにやって来て言った。「もしM-16 ライフル銃を持っていたら、この部屋にいるお前たち全員を殺してやるのに。」部屋にいた私たち白人はぎょっとした。


医者と精神科医を含むグループが教会に作られ、特別プロジェクトとしてアドルファスの面倒を見ることになった。アドルファスの精神状態がおかしくなるたびに、彼らはアドルファスを横に引っ張っていき、「それは適切ではないよ」ということばを多く使いながら言い聞かせた。
「アドルファス、君が怒っているのは理由があるかもしれない。でも、怒りを表現するには適切な方法と適切でない方法があるんだよ。牧師の家が全焼するようにと祈るのは適切ではないんだよ。」

アドルファスは、時には8キロも歩いて日曜日教会へ来ることがあった。バス代が払えなかったからである。そこで教会員が車に乗せてあげるようになった。食事に招いた人もあった。また、クリスマスを教会の副牧師の家族といっしょに過ごすようにもなった。


アドルファスは自分には音楽的才能があるので、聖餐式で賛美する聖歌隊に入りたいと申し出た。だが音楽的才能が全くないことはみんな分かっていた。
とりあえずオーディションを行なった後、聖歌隊の指揮者が一つの提案をした。アドルファスは他の人たちと立って歌うことができる。ただし、彼のエレキギターの電源を切ること。
その後、聖歌隊が賛美するときには、アドルファスもいっしょに立って歌い、ギターを弾いた。感謝なことに、ギターは音が出なかった。
だいたいにおいて、この妥協案は成功だった。しかしアドルファスが薬を飲まずに来たときなど、私たちがキリストのからだと血を受けるために列を作っている間、講壇の上をぐるぐる回って、ジョー・コッカーのものまねをしたりすることもあった。


ある日、アドルファスが教会員になりたいと言い出した。長老たちは信仰について諮問したが、信仰らしきものがあるようには思えなかった。そこで、アドルファスに見習い期間を与えることにした。クリスチャンになるとはどういうことかを理解していることを皆が分かり、教会の中で適切に振舞えるようになったとき、教会員になれると決められた。



いろいろ困難はあったが、アドルファスは結局教会員になることができた。アドルファスは落ち着き始めた。
自分がおかしくなりそうになると、教会の人たちに助けを求めるようになった。
結婚だってした。そして教会員になりたいと三度も申し出て、ついに教会員に加えられたのである。


恵みは、受ける資格のない人々のところへやって来る。

そしてアドルファスは神の恵みを象徴する人物だった。
これまでのアドルファスの人生の中で、それだけのエネルギーと関心を注いでくれた人は誰もいなかった。
彼には家族がなく、仕事がなく、安定した拠りどころもなかった。
教会は彼にとって唯一の安定した場所となった。
人が嫌がることを何度もしたにもかかわらず、教会は彼を受け入れたのである。

教会はアドルファスを見放さなかった。二度目、三度目、四度目のチャンスを与えた。
神の恵みを体験したクリスチャンたちが、その恵みをアドルファスに提供したのである。
否定しようがないその神の恵みは、私に打ち消しようもない神の姿を示してくれた。

それは、私のような者をも、忍耐し愛して選んでくださった神の御姿である。
このような神の恵みを証しし続ける教会を、私は求めている。
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